近ごろ気になる知財トピック(2) [中国での無効審判]
2023.8.24
戦略アドバイザー通信(11)<原文PDFリンク>
 
 
 
近ごろ気になる知財トピック(2) [中国での無効審判]
 前回は、ここクレイア特許事務所以外の顧問先である[(株)サン・フレア]での顧問活動を通じて気になっている海外特許出願での英訳について紹介しましたが、 
 今回は、もう1つの顧問先[隆天知識産権代理有限公司]にて見聞している無効審判について紹介させて頂きます。 
 ご興味ある方には詳細をお伝えしますので、ご連絡をお願いします。 
 
 
1.なぜ今、中国での無効審判が注目されているのか
  日本と異なり、裁判所は(行政摘発執行部門も)権利の有効性を判断しない。 
 [日本企業が権利者の立場の場合] 
  現地での権利主張[行政ルート&司法ルート]の増加に伴い、中国企業がそれへの対抗手段として無効審判を提起するケースが増えてきた。 
 [日本企業が請求人の立場の場合] 
  ①中国企業が日本企業相手に侵害訴訟を提起するケースが増えてきた。 
  ②懲罰的損害賠償がルール化されたので、将来の禍根を断つための予防処置として権利の無効化を検討する企業が増えてきた。 
 
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2.実務上で注意すべき事項[権利者側]
  ①補正の制限のため、出願時にクレームアップしていない内容へと補正はできないので、この点を肝に入れて出願明細書を作成すべき。 
  ②適切な従属クレームが記載されている場合には、それらを充分に検討して補正対応を戦略的に行うことが重要。 
 
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3.実務上で注意すべき事項[請求人側]
  ①先行文献などの証拠補充は審判請求日から1カ月以内と時間が少ないので、請求する前からしっかりと準備しておく。(記載要件違反には期待薄) 
  ②権利者側の補正の方向性も事前に考慮した上で先行文献調査を行う。 
  ③審判請求をダミーで行うかどうかを検討する。 
 
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4.現地特許事務所との業務フロー
  まずは、相手側とのコンフリクトの有無を現地特許事務所に確認する。 
 [日本企業が権利者の立場の場合] 
  審判請求されてから口頭審理までの時間的余裕が少ないので、日本語でのコミュニケーションに長けている特許事務所(例えば隆天知識産権代理有限公司)に委任すべき。 
 [日本企業が請求人の立場の場合] 
  先行文献調査も無効化ストーリーの構築も現地での無効審判に定評のある特許事務所(例えば隆天知識産権代理有限公司)に任せるのが賢明。